Startforceが目指すWebデスクトップのかたち

 ehubでStartforceのインタビュー記事が掲載されていました。

 今回は、このインタビュー記事の一部を参考に、Webデスクトップのビジネスについて考えてみます。

Q:このプロジェクトを始めたきっかけは何ですか。 
A:Web 2.0アプリケーションのeBayを世界が必要としているからです。

 アプリケーションの機能・配布・ユーザの利用などを制御できる立場にあるのでi-modeにおけるiアプリ的なモデルは出来そうですね。これはシェアウエアの決済代行を手がけるVectorなどとの大きな違いです。
 ユーザから見ると、ネット上に散在するアプリケーションを個別に探して選んで購入・インストールして利用するよりも、Startforceにより品質確認されたアプリをWebデスクトップ上で購読する方が手軽で安心感もあり、お金も出しやすい気がします。
 アプリケーション提供者にとっては、課金決済が簡略化され、ホスティングの一部又は全部をStartforceにゆだねられる上、一定の広告宣伝効果も期待できるメリットがあります。
 一方で、アプリケーションの充実とユーザベースの獲得という鶏と卵の関係のようなジレンマは、こうしたサービスの悩ましい側面でもあります。
 また、携帯電話と異なり、フリーで品質の高い無償のアプリケーションやサービスが存在するPC向けの分野にあって、対価を支払う価値を感じさせる様なアプリケーションを集める事も課題です。

Q:あなたの設計哲学は何ですか。 
A:Windowsのデスクトップの使用感を再現することで習得にかかる時間を
  最短にすることです。

 この考え方は、効率的でユーザを持たない弱者のアプローチとしては、現実的です。
 Windowsのメタファを踏襲しておけば、ユーザインターフェースの設計に悩む事も無く、マニュアルを作る必要も無い。
 Startforce以外の他のサービスでも、同様のWindowsに準拠しているものが大勢を占めます。
 だけど、Windowsと違う部分は逆に目立ってしまい、「代用品」的な見られ方をする恐れはあります。
 また、この戦略の場合、Microsoftがこの分野に参入したとき、どのように生き残ってゆくのかも気に掛かるところです。

Q:StartForceの基盤となるビジネスモデルがあるとすれば何ですか。 
A:OEMASPサブスクリプションです。

 OEMなどで他社の市場開拓能力を併用しながら、自前でも有償サービスを提供して、ユーザを獲得してゆく考えでしょうか。
 初期のGoogleが、YahooなどへのOEMで売り上げ確保とサービスノウハウの獲得を進めていた事とも共通性を感じます。
 eBayのモデルを意識するなら、OEM契約の条件ではアプリケーション流通に関して一定の権利を残す事になるでしょう。


 ※そういえば、StartforceのAPIドキュメントの日本語版が3月30日に公開されましたね。開発者が増えるといいですね。